2015/04/16

三ツ池公園「上の池」、「中の池」 再掻(かい)い掘りへ

今年の10月10~12日に「上の池の掻い掘り」、2016年1月9~11日に「中の池の掻い掘り」が実施される。掻い掘りとは池の水を抜いて外来魚を駆除し池を維持する。

主催は三ツ池の生態系回復を目指す市民団体「県立三ツ池公園を活用する会の水辺クラブ(天野隆雄代表)」と同公園の指定管理者(横浜緑地・西武造園グループ・協栄グループ)との共同作業。

もともと三ツ池には、モツゴ(くちぼそ)やトウヨシノボリ(ハゼ)などの在来魚やエビ類が生息していましたが、オオクチバスやブルーギルなどの外来魚の流入によって、その数が激減してしまった。水辺クラブでは、在来生物の宝庫だった以前の姿を取り戻そうと、2006年夏から、来園者による釣りによる外来魚の捕獲や掻い掘りなどを行い効果を上げている。

外来魚は旺盛な繁殖力と天敵がいないことから池の中を占領し、昔から生息しているモツゴなどの在来魚は餌とし食べられてしまうだけでなく、餌や棲家の奪い合いでも負けて死んでしまう。このように外来魚はおおきな害があり、今まであった生態系を破壊してしまう。

掻い掘りは08年2月、公園内に3つある池のうち、「上の池」で初めて実施され、成果があって、11年2月に「中の池」、12年1月「下の池」で実施され公園内にある3つの池で一通り掻い掘りが終了し大きな成果を収めた。
しかし再び外来種が繁殖したため、12年11月「中の池」、13年10月「下の池」にて再掻い掘りを実施。すでに5回実施されており、外来種の繁殖力の強さや密放流に手を焼いている。 農業用のため池を維持するために行われてきた掻い掘りは、日本の伝統的な管理方法である。最近では水質改善や外来生物駆除のため各地で行われ成果をあげている。2014年1月には東京都の井の頭池も三つ池に続き掻い掘りを実施し話題になった。
駆除してもまた誰かが外来種を池に放したり、掻い掘り後わずかに残った外来魚が繁殖する。池をこのまま放置すれば、在来魚が絶滅に追い込まれてしまう厳しい状況だ。
現在の対処方法としては根気よく外来種を駆除する以外にはない。行政、公園、市民団体、専門家が一緒に力を合わせ、定期的に掻い掘りなどを行う仕組みが広まることを願う。

*2005年6月1日に外来生物法が施行され、生態系等に著しい被害を及ぼすとして、ブラックバス類(オオクチバス、コクチバス)とブルーギルが特定外来生物に指定され、輸入、譲渡、飼養、放流が原則禁止になったが、現実的にはこれらの外来魚は全国各地の河川湖沼に広がり、在来の生物に強い影響を与え続けている。全国的な大きな課題だ。

【過去の掻い掘り】
*2011年 1月
http://www.tsurumi-watchers.com/2011/03/2011kaibori.html

*2012年1月
http://www.tsurumi-watchers.com/2012/02/post_1.html

*2012年11月
http://www.tsurumi-watchers.com/2013/01/2012112325.html
*2013年9月
http://www.tsurumi-watchers.com/2013/10/post_55.html


この記事に関するコメントを行う

お名前  *
メールアドレス  *
ウェブサイト
コメント:  *


Go Top