2013/08/05
LED植物工場の野菜の味は?「新横浜LED菜園」見学
新横浜駅近くのオフィス街にLED照明を使って野菜を育てる植物工場ショールーム「新横浜LED菜園」(横浜市港北区新横浜)の見学会に参加しました。一般の人が見学できるショールーム型の植物工場としては「日本最大」とのこと。 植物工場装置開発メーカーのキーストーンテクノロジー(横浜市中区)と植物工場装置の販売・施行を手掛けるアグリ王(新横浜)が共同で運営するショールームに約50人の参加者がつめかけた。最近、東日本大震災後、津波による塩害や放射能汚染の問題を抱える被災地の復興の手だてとして、植物工場へ注目が再び集まっている。
キーストーンテクノロジーでは植物育成用にエネルギー変換効率に優れているLED光源を独自開発し、土壌・太陽光を必要とせず完全閉鎖型で無農薬の野菜類を安定供給できる 新横浜のオフィス街にある奈良建築ビル本社ビル4Fのシュールームは約22坪の屋内スペースに植物工場、LED植物栽培装置「5段式AGRI Oh!」12台を設置している。 密閉された工場内は気温や二酸化炭素濃度などが制御され、リーフレタス、ルッコラ、バジルなど10種類を栽培しており苗の定植から収穫までの期間が路地野菜に比べ約2週間と短く、月間生産能力-はリーフレタスの場合、約1万5千株。畑に換算して約3300平方㍍に相当するという。
施設内で、植物の生育に必要な環境を、LED照明や空調、養液供給等により人工的に制御し、季節を問わず連続的に生産できるシステム。
季節や台風などの気象変動の影響を受けることがなく、制御された環境の中で栽培するため、病原菌や害虫の被害にあうこともないため、凶作がなく、無農薬野菜の安定的な生産が見込める。東日本大震災後、津波による塩害や放射能汚染の問題を抱える被災地の復興の手だてとして、植物工場へ注目が再び集まっている。光の強さや日長、温度や湿度、培養液成分や二酸化炭素濃度をコントロールすることで、その植物の生育にとって最適な環境を作り出すことができ、短期間での収穫も可能であり、年十数作することも行われている。栄養価も豊富である。
プロセスにそって栽培を進められるために、農業知識が乏しいパート・アルバイトでも作業が出来る。また、労働環境が苛酷ではないので、高齢者や障害者による作業が可能であり、実際に秋田県にある障がい者の就労施設に当社の植物工場が導入されている
現在、大企業が続々本腰参入しているが、野菜の生産コストは露地物より高く、特に照射の電気代や空調代などどう削減するかが課題である。
説明して頂いた アグリ王、栽培技術担当の橋本早織さんのお話では、光源は太陽光に近づけているのではなく生育に必要な光源をあてている。
光合成に必要な赤、形態形成に必要な青、緑を使用し16時照射している。
照射だけでなく溶液の肥料により異なるが
栄養価は小松菜の場合、葉酸、ポリフェノール、βーカロチンななどの栄養価が著しく高く、路地野菜より高い栄養価の野菜が収穫可能。大根などの根菜類も理論上は栽培可能であるが、トマトは比較的時間がかかるそうです。
LED菜園で栽培した野菜はオリジナルブランド 「横浜・馬車道ハイカラ野菜」として販売している。
写真
株式会社 アグリ王
営業部 栽培技術担当 橋本早織さん
参加者のほとんどは企業からの参加で、具体的に導入を検討している企業もあれば、興味があって一度試食したかったという主婦の参加者など様々。
露地野菜かLED栽培の野菜かを食べ比べるアンケートが行われたが「食べれば食べるほどわからない」「まったく区別がつかない」と一様に首をかしげていた。
店産店消と言えば店内の野菜工場で生産した野菜をその場でサンドイッチにはさんで提供するサブウェイが有名ですが、完全閉鎖型の植物工場は
虫も入らず微生物が棲む土壌もないため農薬不用かつ生産地と消費地の直結による輸送コストがかからない。さらに天候に左右されないため仕入れコストも安定しているなどメリットが多く『店産店消』を目指すお店が増えるのも必至だ。冷蔵庫がオープンになった感じだ。
6丁目農園 http://www.sprasia.com/tv/user/rokunouen/main
株式会社 キーストーンテクノロジー http://www.keystone-tech.co.jp/
株式会社 アグリ王 http://agri-oh.co.jp/
参考資料
●東洋経済 ONLINE 大企業が続々参入 植物工場は儲かるか 3年間で工場の数は2倍以上に
●wikipediaより抜粋